安保ヨーネンツ恵美 Emmy Abo - Jonentz ソプラノ Sopran
大阪府堺市出身。
1992-3年度国際ロータリー財団奨学生としてベルリン芸術大学に留学。声楽教師国家資格を取得、卒業論文のテーマは『日本の音楽教育』。
1997年イタリア・アンコーナ第五回国際音楽コンクール特別賞。
エーディット ウルバンツィク(ベルリン芸術大学教授)、チェレスティーナ カーサピエトラ(ベルリン国立歌劇場・元プリマドンナ)、フィリップ モル(ライプチッヒ音楽大学教授)、フランク マウス教授、ピアノをヘルムート オルロフ教授、オルガンをコニヤ フォル、シモン ランゲンバッハ、カーステン クロンプ教授の各氏に師事。
講習会では名コロラトゥーラ歌手シルヴィア ゲスティ、ハンノ ブラシュケ教授、
演出家の故・ルート ベルクハウス等の指導を受け、終了演奏会出演。
モーツァルト「魔笛」夜の女王(関西歌劇団)、パーセル 「妖精の女王」(ドイツ五都市で公演)、
バロック・オリジナル楽器でのパーセル「ディドとエネアス」(ベリンダ)と 「アーサー王」、
ベルリーナーアンサンブル劇場 ブレヒトの"Hauspostille"、現代オペラ初演「天地創造」等に出演。
ラインスベルク音楽アカデミー、パリ郊外ロワイヨモン財団の現代音楽ワークショップ、
京都若い作曲家作品展等で現代音楽初演多数。
大阪『ザ
フェニックスホール エヴォリューションシリース』゙、『なにわ芸術祭』、東京大学、パリ、ブリュッセル、
ベルリンを始めとするドイツの各都市でソロの夕べや室内楽、バッハのカンタータや
クリスマスオラトリオを始めとする教会音楽の演奏会に多数出演。
ブランデンブルク州議会堂、1999年ドレスデン演劇祭、2000年ドイツにおける日本週間、
2002年在ベルリン・ルーマニア文化会館、ベルリン大聖堂などで、「道浦母都子の短歌による歌曲」など自作の歌曲を演奏。
音楽雑誌『クラシックジャーナル』に『ミレッラ フレーニ インタビュー』、トスカニーニオペラアソシエーション 『Tactus』に『声楽レッスンのためのドイツ語』などの記事を寄稿。
2009年1月ワインハイム市マルクス教会 オルガニストに就任。
2011年7月 オルガンC資格試験合格。
オルガンと歌のコンサートシリーズOrganum et Cantusを企画出演、レオ クレーマー教授など第一線のオルガニストをゲストに迎え、好評を得る。
記事紹介
ドイツ語の記事はPresseの欄を御覧下さい。おお、シュランメルン
坂田進一とホラ吹き楽壇
文京シビックホールで
ウィーン特有の2ネックのコントラギター、アコをあちら風に「ハーモニカ」と記したり、すっかり情緒にひたれた良い音楽会だった。在欧で来日中の安保恵美ヨーネンツ(原文ママ)さんの親切な解説付きコロラトゥーラソプラノ、坂田進一さんはコンサーチナでNHKに出演され中国の二胡ほか何種類もの楽器演奏に関してそれぞれ専門家レベルというが、この日もヴァイオリンでリードし、チューバ、コルネットと多芸を見せた。
「ウィーンはウィーン」「プラターの春」「ベルリン気風」「青きドナウ」「ウィーン夢の都」ほか。
トリでアラビエフの「夜鳴鶯」は白眉。
アコーデオンは高久暁さん。
曲目解説のプログラムも永久保存的内容。
音楽現代1999年10月号
コンサートクリティーク 演奏会評
安保恵美・日本とドイツの詩情
ベルリンで学ぶ新進コロラトゥーラのデビューで、第二部の「道浦母都子の短歌による歌曲集」が抜群に面白かった。
吉澤ゆかり作曲の「三つの歌」(短歌集『無援の抒情』より)が」圧巻で、対位する伴奏ピアノ(岩野聡美)の書法も傑出して感動的だった。初演は昨年ベルリンで行ったというが、日本語で新しい抒情を歌う歓びに溢れながら、音楽として自立していた。
新作初演の『短歌五首』(短歌集『風の婚』より)には前作の激しさはないが、インティメートな情感が気取らぬ表現になった。
歌唱には作曲者の話と歌人の朗誦が先行して、創造主のプレゼンスを実感する。
その説得力は安保恵美作曲の『三つの孤独、ソプラノとフルートの為の』で頂点に達した。ソプラノの溢れる情感をフルート(市川智子)がたわめて歌心を純化する。
ドイツの詩情は第一部のゲーテとハイネの詩による歌曲やツェルビネッタのアリアが代表したが、日本人歌手の諸問題を浮き彫りにしrた点でも意義のある企画だった。
道浦母都子の短歌 歌曲に
1960年代後半から70年代にかけて激化した学園紛争の体験を歌人道浦母都子が詠んだ歌集「無援の抒情」から三首を、大阪市平野区の作曲家吉澤ゆかりが歌曲「三つの歌-短歌集『 無援の抒情 』より」にした。吉澤の友人でドイツ・ベルリン在住のソプラノ歌手安保恵美が9日、ベルリンで初演する。道浦の短歌は歌手都はるみの新曲「邪宗門」で歌謡曲になったばかりだが、今度はクラシック。道浦は、「若い世代に私の短歌が受け止めてもらえて喜んでいる。もともと文字通り歌われるものであった短歌が音楽になるのは私達のジャンルにとってもうれしい。普遍性のある女性の心情を世界に向けて伝えてほしい。」と話している。
ベルリンに1992年から住む安保は二年前、「アエラ」の「現代の肖像」で紹介されていた道浦の短歌にひかれた。「無援の抒情」に収められている「たまらなく寂しき夜は仰向きて来るしきまでに人を想いぬ」など三首を墨で書き、台所の壁に張った。「ベルリンで一人暮らしをしていた自分の気持ちにぴったりの歌で、ぜひ歌ってみたいと思いました。シューマンやシューベルトの歌曲も歌ってきましたが、男性から見た理想の女性像をうたった歌詞が多く、違和感を覚えていました。」
相愛中学、高校で同級生だった吉澤に作曲を依頼した。吉澤は京都市立芸大で作曲を学んだが、これまで歌曲は作ったことがなかった。「日本語のイントネーション、リズムなどの制約もあり、器楽曲とは違う難しさがありました。でも、女性として道浦さんの短歌に共感していたので、楽しく作曲できました。」曲は今年一月に完成した。
歌曲は現代音楽的な響きの全三曲。一曲目が「たまらなく・・・」で、二曲目が「水より生まれ水に還らん生き物のひとりと思う海恋うる日は」、三曲目が「くちびるをかめばほのかに滲む血を錆びし涙のごとく思いぬ」。曲には六連符や変拍子が多用され、短歌にうたわれた内面的な世界の激しさを感じさせる。道浦は「歌集の中でも普遍性を持っている作品を選んでくれたと思います。若い芸術家が短歌という伝統的なものから美を発見し、自分たちが生きる現代のものとして表現しようという意欲がうれしい。日本でもぜひ演奏してほしい」と話している。