集中レッスン&ホームステイ体験記

                 A.K. 音楽学部4年生 大阪府

私は約1ヶ月間、レッスンを受けながら週五日間ハイデルベルクの語学学校に通いました。
私の1ヶ月の留学経験をまとめてみました。

《Weinheim》ワインハイムの街

Weinheimワインハイムは、Frankfurtフランクフルトから電車か車で小一時間の所にある町です。
そこで1ヶ月、ホームステイさせて頂きました。
とても自然が豊かで、近くには湖があり、泳ぎに行くことが出来ます。空がとても広く美しいところで、昼には真っ青な空が時間とともに徐々に赤く染まっていき、夜には沢山の星が輝いていました。
時には大きな虹も見られて、本当に綺麗な所だなという印象を抱きました。
田舎ならではの良いところが沢山ある場所です。
田舎とはいっても交通の便は良く、大きな町へのアクセスはスムーズに出来ました。
近くには小さな教会があり、町に響く鐘の音色を聴くことが出来ます。
教会の中ではオルガンと人々の歌声が美しく響いていました。
今回一度だけ教会で歌う機会を頂き、本当に貴重な経験をさせて頂けたと感謝しています。
石造りの建物だからこそ感じられる音の響きがあり、
木や紙の文化である日本では絶対に感じられることの出来ないものだと思いました。
オルガンの伴奏で歌うのは初めてで、常々憧れていたのでとても嬉しかったです。
恥ずかしながらオルガンという楽器についてほとんど知識がないのですが、とても深く、一音一音立体的で次々に浮かび上がってくる荘厳な音色だと思いました。
演奏の後で牧師さんが「良かったよ」声をかけて下さり、またお祈りの言葉も下さいました。
牧師さんの人柄でとても温かい気持ちになりました。教会という場所でお祈りをし讃美歌を歌うと、それだけで不思議と豊かな気持ちが生まれると思いました。

《Heidelberg/語学学校》

Weinheimから電車でHeidelbergハイデルベルクにある語学学校へ通いました。
ここへも小一時間で行くことが出来ます。
学校までの最寄り駅に近づくとお城が見えてくるので、毎日観光している気分でした。
もちろん学校からお城まで近いので歩いて行くことも出来ます。
Heidelbergは観光のみならず、お店が沢山あるので買物にとても適した町です。
語学学校ではドイツ語を学びながら、各国から来た仲間と国際交流することが出来ました。
ドイツ語は初心者同志なので、パウゼ(休憩)では英語での会話から始まり、徐々にドイツ語での会話が始まっていく…など、授業以外でもドイツ語に楽しく触れる事が出来ました。
語学学校はお昼までなので、授業後に買物に行くと、習ったドイツ語を早速実践出来る!というのが現地で学ぶ一番のメリットかも知れません。

《Oper》オペラ

滞在中、二回オペラを鑑賞しに行くことが出来ました。
一つ目は、Frankfurtへ行きました。
演目はMozartの
『Le Nozze di Figaroフィガロの結婚』です。
Frankfurtまでは電車を乗り継ぎ一時間程で、中央駅からゆっくり歩いて15分程度でした。
小劇場だったので、舞台の大道具はシンプルでしたが、それでも充分魅力的な舞台でした。
公演が終わると駅まで急いで走りました。ドイツでは本当に遅くまで電車が走っていますが、
一本逃すと一時間程待たなくてはならないので、オペラ等で遅くなる時には要注意です。
二つ目はDarmstadtダルムシュタットで、同じ演目を観てきました。
こちらもシンプルな舞台でしたが楽しい公演でした。
オペラの感想はそれぞれあると思いますが、私が一番びっくりしたのは、実は舞台より客席でした。
休憩になると、お客さんが一人残らず客席から離れて空っぽになります。
日本では客席が空っぽになるのを見たことがないのでプチ・カルチャーショックでした。
でも休憩時間を使って他の人と色々話しながら交流する、
というのは素敵な文化の一つだなと改めて思いました。

《レッスン》

レッスンでは、身体の使い方、呼吸の仕方、そして響きの付け方を中心に教えて頂きました。
特に響きに関しては、これまで持っていた観念が全く新しいものに変わりました。
レッスンで教えて頂いたことは本当に大きな収穫でした。
レッスン室が響きの良く分かる部屋だったのもあって、
これまでいかに自分が響きに対して無頓着であったかが分かりました。
遠くへ飛ばない(響きのない)声を無理矢理大きくしていたこと、息を無駄遣いしていたこと、
身体で使うべきところを使わず、逆に必要のないところに力を入れていたこと…など
今まで無意識にやってしまっていたことが徐々に分かるようになってきました。
1ヶ月のうち、後半はほぼ毎日レッスンをして頂いたので、レッスンの録音を聞き返すうちに、
どの声がどんな身体の使い方の時に出ているのか、
また、それが正しいのか間違っているのかが少しずつ自分で分かってくるようになりました。
レッスンを重ねるうちに、それまで出しにくいと感じていた音域まで楽に出るようになってきました。
響きと支えのバランスが大切で、どちらか一方を気にしすぎると上手くいかないことが
身体の感覚で分かるようになってきました。

教会で歌わせて頂いた時にも感じましたが、大きな声を出さなくても、
確かな場所に響かせることが出来れば、声は広がっていくんだと実感することが出来ました。
今回、響きを当ててしっかり支えてやれば身体は楽なまま声が出るのを体験することが出来て
本当に良かったです。

短期間で集中的にレッスンを受けられたことで、身体が早く楽な発声に慣れていけたと思います。

 2010年夏


教師からのコメント


彼女はとても熱心で、吸収の速い生徒でした。
平日はほとんど毎日レッスンをしたこともあり、週1回ペースだと3ヶ月から半年かかることが4週間足らずででき、後半は次々と新しい曲を試みて、音域も3度くらい広がりました。教える側にとっても充実感のあるレッスンでした。後半では、もっと時間があれば、あれもこれも出来るのに、と限られた時間が残念でした。日本では響かない場所で歌わなければならないことが多く、辛いこともありますが、本当に楽に歌えるんだと体の感覚を思い出してください。